布団の温もり

今回の作品は「僕たちの町は一ヶ月後ダムに沈む」ってタイトルから分かるように、ダムに沈む町のお話しです。
そこで実際にダム建設中の町へ行ってきました。
群馬県の長野原町。そこにある川原湯温泉街は建設中の八ツ場ダムが完成するとダム湖に沈んでしまいます。
そこにはまだたくさんの人達が生活しています。共同浴場で一緒になったおじいさんは笑顔で88年毎日入ってるよと教えてくれました。悲愴感は見せません。

けど数年後には景色が一変します。
共同浴場もなくなっています。
幾千年と止むことのなかっただろう川のせせらぎもダムに沈みます。

ダムについての資料は調べられるけど、町がなくなるなんて大き過ぎて想像しても追いつかない。
町の空気を吸うことで、八百年続いた温泉街の歴史と生活の匂いがほんの少しは染み込んだんじゃないかな。

明日から立ち稽古に入ります。